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ムツゴロウジャンプ 第9部

本当にすみません。まさか1ヶ月も更新期間が開いてしまうとは…(汗)

見て下さっている皆さんに失礼ですよね。この場を借りてお詫びしますm(__)m

もちろんリアル生活のこともあるんですが、考えてみるとここしばらくはネットを開くときはツイッターばかりを気にしてしまっていました(>_<)

その時間を執筆に当てればもっと早く更新できていたわけですからこれは完全に僕の落ち度です。

言い訳をさせていただくと、最近は迷子のペット情報や政治問題、原子力発電所の関連のツイートが多く、拡散したい情報がほとんど間髪を入れずに出て来るのでなかなかツイッターから離れられなかったんですよ(汗)

……と、SSと無関係のことをあまり長く書くのもよくないですね。

それでは本編をどうぞ。





2013年8月8日、午後11時……

薄暗い研究室で作業に没頭している科学者がいる。

彼は理学博士の陸奥五郎。無名の天才科学者だった。

陸奥は今、2体のヒューマノイドを完成させようとしていた。

陸奥は数日前に偶然からあるものを発明していた。

そのあるものとは、究極の科学の結晶と言っても過言ではない代物で、もし使い方を間違えれば恐ろしい事態を招くかもしれない物だった。

陸奥には自らが発明したそのあるものを正しく使う義務がある。

2体のヒューマノイドにはそれを補佐する役割があった。

作業に夢中になっていた彼は、部屋に誰かが入って来たことに気付かなかった。

「博士、まだ作業をしていらしたんですか?そろそろ休憩された方がいいですよ」

そう言ったのは、陸奥が数ヶ月前に自分の助手として作り上げた女性型アンドロイド(ヒューマノイド程ではないが人間に近いロボット)だった。

「やあ、君か。ちょうどよかった。もう少しでヒューマノイドが目を開けるんだよ」
陸奥は言った。

「いよいよ完成するんですね。……まるで双子みたいなヒューマノイドですね」
アンドロイドは言った。

「似ているのは同じデザインを流用したからかな?完成と言うよりは誕生と言った方がいいかもしれないな。この2人は君の妹になるわけだからね」
陸奥は言った。

「え?私の妹?……どういうことですか?」
アンドロイドは不思議そうな顔をした。

「僕にとっては、君は優秀な助手であると同時に一番初めに生まれた娘みたいなものだからね。2番目と3番目のこの子達は、当然君の妹になるわけさ」
陸奥は言った。

「娘だなんて……。私は人間ではなく機械ですから、博士の助手以上の存在にはなれませんよ」
アンドロイドは言った。

「機械か人間かなんて関係ないさ。君もこの子たちも僕の家族だ。……さて、起動させるよ」
陸奥は言った。

陸奥がヒューマノイドの起動スイッチを押すと、アンドロイドは奇妙な感覚を覚えた。

「……何だか私も生まれたばかりみたいな気がします」
アンドロイドは言った。

「君は構造上、周囲の機械が何らかの影響を受ければそれを感じやすいからね。ヒューマノイドの感覚が君にも伝わったんだ」
陸奥は言った。

2体のヒューマノイドが起き上がった。

同時に恐ろしいことが起きた。

ヒューマノイドの1体が鉄パイプをつかむと、陸奥の心臓を目がけて突き刺したのだ。

「うぐっ!」
「博士!」

倒れる陸奥をアンドロイドが支えた。

「博士!しっかりして下さい!今救急車を……」

バキッという音がした。

陸奥を刺したヒューマノイドが今度は電話を壊したのだ。

「博士のことを助けられては困るのよ。博士の研究のことを知っているあなたも生かしておけないわ」
ヒューマノイドは言った。

アンドロイドは怒りに震えた。

「よくも博士を!」

アンドロイドはヒューマノイドに飛びかかった。

だがヒューマノイドの力に敵わず、アンドロイドは投げ飛ばされてしまった。

「ぐふっ!」
アンドロイドは床に叩きつけられた。

「無駄よ。旧型のあなたは私に勝てない」
ヒューマノイドは陸奥の血の付いた鉄パイプを持ってアンドロイドに近づいてきた。

「ヒューマノイドの……右の肩甲骨だ。……運動機能オフの……スイッチが……」
陸奥はアンドロイドにだけ聞こえるよう、声を絞り出した。

ヒューマノイドが鉄パイプを振り下ろそうとした時、アンドロイドは咄嗟に身をよじってヒューマノイドの後ろに回った。

「眠りなさい!」
アンドロイドはヒューマノイドの肩甲骨を押した。

ヒューマノイドはその動きを止めた。

「博士!」
アンドロイドは陸奥に駆け寄った。

「……よかったよ。……君が殺されなくて……」
陸奥はアンドロイドに言った。

「死なないで!すぐに助けを呼ぶわ!」
アンドロイドは言った。

「……駄目だよ。……もう遅い……」

それっきり、陸奥の声は聞こえなくなった。

「お父さん!起きてよ!……こんなのあんまりだよ!」
アンドロイドは陸奥にすがって泣いた。

陸奥は自分が作り出したアンドロイドやヒューマノイドのことを家族と言った。

だが、陸奥によって作り出されたヒューマノイドは陸奥を殺した。

アンドロイドは運動機能の停止したヒューマノイドを睨みつけた。

「お父さんの仇……」

アンドロイドはヒューマノイドが落とした鉄パイプを拾った。

「……思い知れ!」

ヒューマノイドめがけて鉄パイプを振り下ろそうとしたその時だった。

アンドロイドは恐怖を感じた。

誰かが……いいや、何かが怖がっている……?

アンドロイドは辺りを見回して、陸奥を刺したのとは別の、もう1体のヒューマノイドを見つけた。

大きく見開かれた彼女の目からはとめどなく涙があふれ、身体はガクガク震えていた。

恐怖のあまり彼女は泣き叫ぶことさえできないのだった。

それもそのはずだ。

陸奥を殺したヒューマノイドと違って、彼女はほとんど何も知らない子供に等しかったのだ。

その上目覚めたばかりの状態で恐ろしい光景を目の当たりにすれば、恐怖を感じない者などいないだろう。

「……」

自分はいったい何をしているのだろうか?

陸奥を刺したヒューマノイドは、もう1度運動機能をオンにしない限り動き出すことはない。

それに、自分のしようとしていることを陸奥は望んだりするだろうか?

アンドロイドは鉄パイプを捨てた。

「怖い夢を見ているのね。大丈夫よ。夢から覚めれば、全部忘れられるから……」
アンドロイドは壁際で震える少女に言った。

「夢……?」
少女は怯えた表情のままで聞いた。

「ええ。これは夢なの。本当は誰も傷ついていないわ」
アンドロイドはそう言いながら少女に近づき、少女の頭を撫でてやった。

「だから、早く夢から覚めましょう……」

少女はアンドロイドにもたれ、静かに眠ってしまった。

アンドロイドは少女の身体を抱えると、研究室を出た。

「あなたには新しい記憶をあげるわ」



「……私は眠った彼女を父の別荘まで連れて行ってベッドに寝かせたの。そして小宮山麻友としての記憶を与えたわ」
音美はそこまで話すと一息ついた。

おいらも半戸もしばらくの間何も言うことができなかった。

「……ごめん。辛いことを思い出させて……」
ようやくおいらは口を開くことができた。

「いいのよ。いずれあなた達には話さなきゃいけないことだったし……。麻友は自分が人間の10歳の子供だって信じているわ。だから麻友にはこのことは絶対に言わないでね」
音美は言った。

「……麻友ちゃんもかわいそうな子なんですね。……でも、ラッキーは本当に麻友ちゃんに飼われているみたいに見えますけど、あれは……?」
半戸は聞いた。

「ラッキーの記憶も麻友に合わせて変えているのよ。ラッキーは元々捨て犬だったの」
音美は答えた。

「……それにしても、どうしてこのヒューマノイドは生みの親の陸奥博士を殺したんでしょうか?彼女の役割はタイムマシンを使う時に歴史を変えないように補佐することなんですよね?それがどうして……」
半戸は氷漬けになっているヒューマノイドに目を向け、言った。

「『陸奥博士は歴史を変えてしまう可能性があるから殺さなければならない』……私に伝わって来た彼女の意思はそうだった」
音美は言った。

「めちゃくちゃだ。そんなの『半戸は動物を虐待する可能性があるから先手を打って殺せ』と言うようなもんじゃないか。顔は麻友にそっくりだけど中身はとんでもないやつだな」
おいらは言った。

「おいおい、ピーター。僕は動物虐待なんかしないよ」
半戸は言った。

「ええ。ピーターの例え話だと半戸さんに悪いけど、どうしてお父さんが作ったヒューマノイドがそんな恐ろしい思想を持ってしまったのか。……さっき話した通り彼女は宇宙が誕生してから2013年の8月8日までの全ての記憶を持っているの。その中で人間の負の部分を強く感じていたからかも知れないわね」
音美は言った。

「人間の負の部分ですか……」
半戸は言った。

「確かに半戸みたいな人間はおいら達と違って負の部分を持っているからな」
おいらは言った。

「僕が粗悪品の代表例みたいに言うのはやめてくれよ」
半戸は言った。

「麻友がそういう思想を持っていないのは不幸中の幸いだったわ。もし麻友がそういう思想を持っていたとしたら、私は自暴自棄になっていたもの」
音美は言った。

「……そういえば、麻友もこのヒューマノイドと同じようにタイムトラベルを補佐する役割を持っているんだよな。具体的にはどんな役割なんだ?」
おいらは聞いた。

「それはおいおい話していくわ。コールドスリープケースをずっと開けたままにしていて寒くなっちゃったし……。早く作業を済ませて上に戻りましょう。……半戸さん、これを頭に……」
音美はコードのような物を取り出すと言った。

「ちょ……。待って下さいよ。僕は音美さんのようなアンドロイドでもないですしヒューマノイドでもないんですよ。コードを頭に差すなんてできっこないですよ」
半戸は慌てて言った。

「……そうだったわね。忘れていたわ」

音美はコードの片方を奇妙な形のヘルメットにつないだ。

「これでどう?」
「……まあ、ヘルメットなら……」

半戸はヘルメットを被った。

「タイムパラドックスが発生した時に起こり得る3つの可能性の内、『全宇宙の破壊』の可能性は消えたわ。残る可能性は『歴史が変わらない』か『歴史が変わる』かのどちらかよ。歴史が変わったのなら、当然このヒューマノイドが持っている歴史も、半戸さんやピーターが知っている歴史とは違う物に変化しているわ。だから半戸さんの頭を借りるの」
音美は言った。

「でも、僕が知らない歴史が変わっている可能性もありますよね?」
半戸は言った。

「大丈夫よ。半戸さんの歴史の知識がゼロでも、歴史の変化があればちゃんと分かるようになっているから」
音美は言った。

「……なんだかなあ……。さっきから遠回しにバカにされているような気がしますけど……」
半戸は言った。

「気にしない気にしない。さて、ちょっと痛いかもしれないから気をつけてね」

音美は半戸のヘルメットとつながっているコードのもう片方を氷漬けのヒューマノイドにつないだ。

同時に半戸に異変が起きた。

「ギャース!」
半戸は悲鳴とともにひっくり返ってしまった。

「お、おい。どうなっているんだ?」
おいらは言った。

「歴史のずれに半戸さんがまいってしまったんだわ。つまり、歴史は私やピーターや半戸さんが知っている物とは変わってしまっているのよ。今ので半戸さんには歴史の変化が見えたはずだから、半戸さんを起こして歴史がどう変わったのか聞かなきゃ」

音美はそう言うと半戸を起こそうとした。

「半戸さん、起きて。今何か見えたはずでしょ」

だが、半戸は目を回したままだ。

「……起きないな」
「……仕方ないわね。ピーター、お願い」
「任されよう」

おいらは床板で爪を研ぎ直し、息を吹っ掛けると半戸の右頬を引っ掻いた。





今回はちょっと長くなった上にシリアスな展開になってしまいました。

おまけに主人公不在の状態が未だに続いているのはさすがにまずいですよね(汗)

今回登場したのはムツゴロウではなく科学者の陸奥五郎博士でしたが、ムツゴロウと干潟はストーリーの流れから次回こそ出すことができると思います。

どうぞご了承くださいm(__)m
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