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ムツゴロウジャンプ 第3部

大変遅くなって申し訳ありませんm(__)m

7月中に完結させるのはちょっと難しくなってしまいました(汗)

……それでは、本編をどうぞ。





「はい、これ」
音美は半戸にサングラスとニット帽を渡し、麻友にはマスクを渡した。

「……なんですかこれ?」
半戸は不思議そうな顔をした。

「私がよく使ってる変装道具よ。麻友と半戸さんはできるだけ顔を見られないようにしなきゃいけないからね。……ほら、2008年にも麻友と半戸さんはいるのよ。同じ時間に同じ人間が2人いるということが皆に知れたら大変でしょう」
音美は言った。

「……それにしたってこれは……」
半戸は困っている。

「いいから早く帽子を被ってサングラスをかけて」

音美に急かされ、仕方なく半戸は言われた通りにする。

「半戸さん全然サングラス似合わない~」
麻友はげらげら笑い出した。

……ひょっとすると、音美が半戸にサングラスをかけさせたのは麻友を笑わせる目的もあったのかもしれない。



病院……

おいらはベランダによじ登った。

考えてみれば分かることだが、野良猫のおいらは病院の中には入れない。

仕方がないのでおいらはベランダのある窓の外から徹也がいると言われた病室を覗くことにした。

おいらが窓の外にたどり着いた時、音美達は既に病室に入っていた。

「元気そうでよかった。心配してたんだよ」
麻友は言った。

「心配掛けてごめんね。僕はこの通り大丈夫だよ。かすり傷程度で済んだからね」
徹也は言った。

「それは不幸中の幸いでしたね」
半戸は言った。

「我ながら本当に強運でしたよ。先生によると傷跡も……残らなくて済むようで……」
徹也は必死で笑いをこらえている。

「……やっぱりこれ似合いませんよね。外します」
半戸はそう言ってサングラスを外した。

「すみません。話の途中で笑っちゃって……。本当にありがとうございました。皆さんがすぐに救急車を呼んで下さったおかげですよ」
徹也は頭を下げた。

「いえいえ。とんでもない。僕等は当然のことをしただけですよ」
半戸は言った。

徹也と半戸のやり取りは人間がお礼を言ったり言われたりするときの決まり文句なんだろう。

「ところで、徹也さんと一緒にいたあの女の人は無事なの?」
麻友は聞いた。

「それが、僕も気になっているんだ。先生はあの子も大丈夫ですって言っていたんだけどね……」
徹也は心配そうな顔になる。

「まあ、先生が大丈夫だって言っているのなら大丈夫でしょう」
半戸は言った。

「それならいいんですけど、病院に来てからまだあの子に会わせてもらっていないので……」
徹也は言った。

「じゃあ、会いに行ってみましょうか。そうすれば安心できるでしょうし……。あの人の名前を教えて頂けますか?」
半戸は言った。

「それが、僕はあの子の名前を知らないんですよ」

おいらも麻友も音美も半戸も一瞬きょとんとした。

「徹也さん、あの女の人と知り合いじゃなかったの?」
音美は言った。

「実はあの子とは今日初めて会ったんですよ。あの現場ですれ違おうとした時に車が突っ込んで来て……」
徹也は言った。

「それじゃあ、徹也さんは初対面の女の子を命がけで守ろうとされていたんですか……」
音美は言った。

「目の前で女の子が危険な目に会っているのに放ってはおけませんから……。それにあの子はどうも他人のような気がしなくて……」
徹也は言った。

「徹也さんは優しくて勇敢なんだね」
麻友は言った。

「そう言われると照れるな……。でも、彼女の名前が分からないと会うのは難しいですよね」
徹也は頭をかいた。

「大丈夫ですよ。徹也さんに助けられた女の人って言えば、病室を教えてもらえますよ」
半戸は言った。

「えっ?……そうなんですか」
徹也は言った。

「それじゃあ、どこのあの人が病室にいるのか聞いてきますね」
半戸はそう言うと病室を出ていった。





未だに干潟もムツゴロウも登場していないという……

本当にすみません!

次回こそ干潟かムツゴロウのどちらかを登場させたいところですが……(汗)
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ムツゴロウジャンプ 第2部

更新が遅くなってすみません。

それでは早速本編をどうぞ。





「すみません。今が2008年だってことをすっかり忘れていて……」
半戸は頭をかきながら言った。



交通事故の現場に居合わせたわけだから、半戸達は当然警察官から事情を聞かれたのだが、その際警察官から身分を証明できるものを出してほしいと言われた半戸はついうっかりして自分の自動車運転免許証を出してしまったのだ。

半戸の自動車運転免許証に書かれていた最終更新日は当然のことながら来ていなかったから警官はあからさまに半戸を不審者扱いした。

「ちょっと署の方まで来て頂けますか?」
「そ、そんな!僕は決して怪しい奴じゃ……」
「いいから来なさい!」

半戸が警官に連れて行かれそうになった時、白衣の女は警察官の頭に自分の手を押しあてた。

警官は突然倒れてしまった。

「お、お巡りさん、大丈夫ですか?……何をしたんです?」
半戸は言った。

「ちょっと催眠術をかけただけよ。目が覚めたら半戸さんのことは忘れているわ。今後は身分証明書を出せと言われても断ることね。警察署に連れていかれて詳しく話を聞かれたらまずいでしょう」
女はそう言った。

「……そうですね。すみません。今が2008年だってことをすっかり忘れていて……」
半戸は頭をかきながら言った。

間もなく警官は起き上がった。

「……あれ?俺は何をしてたんだっけ?……そうだ。事情聴取の最中でしたね。……まずはお2人のお名前からお聞きしましょうか」

本当に警官は先程のことを覚えていないらしい。

「私の名前は葉月音美といいます。彼は半戸隆吉」
女は言った。

……葉月音美?

あっ、そうか。女の名前はこれが聞き始めだ。

「えっ?僕は……」
半戸は訂正しようとしたが、音美に手で制された。

「何か身分を証明できるものは……?」
警官は言った。

「はい」
音美は自分の名刺を差し出す。

「そちらの方は何か持っていませんか?」
警官は半戸の方を見ながら先程と全く同じことを言った。

「半戸さんは身分証明書になるものは何も持っていないですよ。退職したばっかりで名刺はシュレッダーにかけちゃったみたいだし、しかも車の免許を持っていないから……」
音美は半戸のことを上手くごまかしつつ警官の質問に答えている。

おいらは一足先に家の中に戻ることにした。

おいらは猫だし、これ以上事情聴取につき合うこともないだろう。

おいらが家の中に戻ると、麻友が声をかけて来た。

「猫ちゃん、事故にあった人達は大丈夫かな?」
「さあね。おいらには分からないよ」

しまった!……おいらはそう思った。

麻友はおいらの言葉を聞くなり泣き出しそうになったのだ。

「分からないって、助からないかもしれないってこと?」
麻友の声は上ずっている。

ラッキーはおいらを睨みつけた。

「わ、分からないけど、多分大丈夫だと思うぞ」
おいらはそう言いなおしたが、なんと説得力のないことか……

「私……もう誰にも死んでほしくない!誰かが私の前からいなくなっちゃうなんて嫌だよ!」
そう言うと、麻友は顔を手で覆い隠し、泣きだしてしまった。

おいらはどうすることもできず、その様子を見守るしかなかった。

それにしても猫のおいらが人間の女の子にこうやって気を使うとは……

人間の言葉を話せるようになってからおいらはお人好しになってしまったのかもしれないな。

間もなく事情聴取を終えた音美と半戸が戻って来た。

「麻友ちゃん……?」
半戸は心配そうに麻友に声をかけた。

麻友は泣くばかりだった。

「猫君、何があったんだい?」
半戸はおいらに聞いた。

「それが……」

おいらは音美の行動に気をとられて半戸の質問に答えることができなかった。

音美は泣いている麻友の隣に座り、麻友の頭をなでてやりながらこう言ったのだ。

「大丈夫。あの人達は無事よ。だからもう泣かないで」

「……本当?」
麻友は涙を拭きながら顔をあげた。

「ええ。心配だったら後でお見舞いに行こう」
音美は言った。

半戸と一緒に外にいた音美は麻友がなぜ泣いていたのか知ることができないはずだ。

音美はどうやって麻友が泣いている理由を知ったのだろう?

「そっか。麻友ちゃんは事故にあった人達のことが心配だったんだね。……でも、音美さんよく分かりましたね」
半戸は言った。

「それは……まあ、いいじゃない」
音美はそう言ってごまかした。

「……」
半戸は不思議そうな顔をしたが、それ以上言及はしなかった。

おいらも麻友が泣きやんでほっとしていたので、なぜ音美が麻友のことを何でも分かっているのかについて聞こうとはしなかった。

正直、おいらは甘かったと思う。

自分達を助けてくれたからと言って音美に気を許さず、彼女の正体を見極めるべきだったのだ。





今回は主人公不在の上に干潟もムツゴロウもまだ登場していないという展開になってしまい、申し訳ありません(>_<)

次回は主人公を登場させます。m(__)m
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